双極性障害で障害年金はもらえる?認定基準や申請の重要ポイントを社労士が解説
激しい躁状態と、何もできなくなるうつ状態。双極性障害の大きな気分の波は、ご本人の意思とは関係なく、日常生活や仕事に深刻な影響を及ぼします。
「症状のせいで仕事が続かない…」
「収入が不安定で、将来の生活がとても不安…」
「治療に専念したいけれど、お金のことが心配で休めない」
こうした切実な悩みをお持ちの方は、決して少なくありません。
その経済的な不安を解消し、安心して治療に専念するための制度が「障害年金」です。
この記事では、障害年金専門の社労士が、「双極性障害」に特化して、受給の目安となる認定基準や、申請でつまずかないための重要なポイントを詳しく解説します。
Contents
1. 双極性障害は障害年金の対象です
結論から申し上げますと、双極性障害(躁うつ病)は障害年金の支給対象となる精神障害です。
障害年金の審査で最も重視されるのは、病名そのものではなく「症状によって、日常生活や仕事にどれだけの支障が出ているか」という点です。
双極性障害は、症状に波があるため、「調子が良い時期もあるから申請は無理だろう」と諦めてしまう方がいらっしゃいます。しかし、審査では一時的な状態だけでなく、躁状態・うつ状態を含めた一連の症状のサイクル全体が考慮されます。日常生活や労働に著しい制限があれば、受給できる可能性は十分にあります。
2. 【等級の目安】どのくらいの症状で受給できる?
障害年金には、症状の重さに応じて1級、2級、3級の等級があります(3級は障害厚生年金の場合のみ)。日本年金機構が示す等級の目安は以下の通りです。
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1級 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。 (例:身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない。常に誰かの援助が必要で、入院や在宅での療養が中心となる状態)
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2級 日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。 (例:必ずしも誰かの援助は必要ないが、一人での外出が困難。家事や身辺整理がほとんどできない。労働により収入を得ることができない状態)
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3級(障害厚生年金のみ) 労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。 (例:一般企業での就労は難しいが、単純な作業ならできる。周りの援助や配慮があれば、なんとか仕事ができる状態)
ご自身の状態がどの等級に該当するか、一つの目安としてみてください。
3. 双極性障害の障害年金申請 4つの重要ポイント
双極性障害の申請には、特有の押さえておくべきポイントがあります。特に以下の4つは、審査結果を左右する可能性があるため重要です。
ポイント1:最も重要!「診断書」の依頼方法
診断書は審査の最重要書類です。医師に現状を正確に伝えないと、実態よりも軽い内容の診断書になってしまう恐れがあります。診察時には、以下の点を意識して伝えましょう。
- 症状の波を伝える: うつ状態で何もできなかった様子だけでなく、躁状態で浪費してしまったり、対人トラブルを起こしてしまったりしたエピソードも具体的に伝えます。
- メモを持参する: 日常生活で困っていること(金銭管理、対人関係、家事など)を事前にメモにまとめ、医師に渡すのが非常に効果的です。
ポイント2:「初診日」の証明
障害年金の申請には、双極性障害の原因となった症状で、初めて医師の診察を受けた日(初診日)を証明する必要があります。 「どの病院が初診か分からない」「カルテが破棄されていて証明できない」といったケースは頻繁に起こります。しかし、証明する方法は一つではありません。諦める前に、まずは専門家にご相談ください。
ポイント3:「病歴・就労状況等申立書」の書き方
これは、ご自身で発症から現在までの経過を記載する書類です。診断書を補足する大切な資料となります。いつ、どのような症状があり、日常生活や仕事にどんな影響が出たかを、具体的に、分かりやすく時系列で記載することが重要です。
ポイント4:就労している場合の注意点
「働いているから障害年金はもらえない」と思い込んでいる方が非常に多いですが、それは誤解です。 審査では、単に就労の事実だけでなく、その「働き方」が重視されます。
- 職場でどのような配慮を受けているか(勤務時間の短縮、業務内容の変更など)
- 遅刻や早退、欠勤の頻度はどのくらいか
- 障害者雇用か、一般雇用か
こうした情報を具体的に伝えることで、就労していても労働能力が著しく低下していると判断され、受給に繋がるケースは多くあります。
4. 申請に不安を感じたら専門家へ相談を
ここまでご説明した通り、双極性障害の申請は、症状の波の伝え方や就労状況の説明など、ご自身で進めるには難しい点が多くあります。また、症状が辛い中で複雑な手続きを行うのは、大きな精神的負担となります。
もし、申請に少しでも不安を感じたり、治療に専念するために手続きの負担を減らしたいとお考えでしたら、障害年金専門の社会保険労務士にご相談いただくことをお勧めします。
専門家が、お客様の状況を的確に書類に反映させることで、受給の可能性を高めるお手伝いをいたします。
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双極性障害を抱えながらの生活や、複雑な年金申請は、大変なエネルギーを必要とします。しかし、障害年金は、皆さまが安心して治療を続け、自分らしい安定した生活を取り戻すために国が設けた、正当な権利です。
私たち、三井労務経営コンサルティングは、山梨県を中心に障害年金申請のサポートを行っております。初回のご相談は無料です。まずはお客様の状況をじっくりお伺いし、最適なご提案をさせていただきますので、どうぞお気軽にご連絡ください。