【大人の発達障害】ADHD(注意欠如・多動症)で障害年金はもらえる?仕事・等級・不支給を防ぐコツを専門社労士が解説
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はじめに:その「ミス」や「生きづらさ」は、あなたのせいではありません
「仕事でケアレスミスを連発し、何度も怒られてしまう」
「衝動買いで借金をしてしまい、金銭管理ができない」
「片付けができず、部屋がゴミ屋敷のようになってしまう」
ご自身で対策をしてもどうにもならず、「自分はだめな人間だ」と自信を喪失していませんか?
ADHD(注意欠如・多動症)によるこれらの症状は、脳の機能障害によるものであり、決してあなたの「怠け」や「甘え」ではありません。
そして、その日常生活や仕事上の困難さは、国の制度である「障害年金」の受給対象となる可能性があります。
「うつ病じゃないからもらえない」「働いているからもらえない」というのは大きな誤解です。
この記事では、障害年金専門の社会保険労務士が、ADHDの方が障害年金を受け取るための条件、令和7年度(2025年度)の最新金額、そして審査で正当な評価を受けるための「診断書作成のコツ」を解説します。
1. ADHDで障害年金をもらうための基準(等級)
障害年金の等級は1級~3級までありますが、ADHD単独の申請では、主に2級または3級が検討されます。
2級(日常生活に著しい制限がある)
- 対象となる状態:
- 金銭管理ができず、浪費や借金を繰り返してしまう。
- 食事の支度や部屋の掃除などの家事が全くできず、家族やヘルパーの援助が必要。
- 不注意による火の不始末や、衝動的な行動によるトラブルのリスクがある。
- ポイント: 単独で生活することが困難であり、常に誰かの支援が必要な状態です。ADHDの症状に加え、二次障害(うつ病など)を併発している場合に認定されやすい傾向があります。
3級(労働に著しい制限がある・厚生年金のみ)
- 対象となる状態:
- 日常生活はある程度できるが、仕事上のミスや対人トラブルが多く、一般就労が困難。
- 職場で特別な配慮(指示の明確化、チェック体制の強化など)を受けて働いている。
- 単純作業や、負担の少ない業務に配置転換されている。
- ポイント: 厚生年金加入者(会社員・公務員など)のみが対象です。国民年金の方には3級がないため、この「3級の壁」が非常に重要になります。
2. 【2025年最新】ADHDで受け取れる年金額
令和7年度(2025年4月~)の年金額は以下の通りです。
障害基礎年金(初診日が国民年金・20歳前の方)
初診日が「学生時代(20歳前)」や「自営業・無職」の場合です。
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等級 |
年金額(令和7年度) |
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1級 |
1,039,625円 + 子の加算 |
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2級 |
831,700円 + 子の加算 |
※ADHDは先天性の要因が強いため、20歳前傷病(20歳到達時に申請)となるケースも多いです。
障害厚生年金(初診日が厚生年金の方)
就職してから初めて心療内科等を受診し、ADHDと診断された場合などが該当します。
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等級 |
年金額の目安(令和7年度) |
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1級 |
障害基礎年金1級 + 報酬比例の年金 × 1.25 + 配偶者加給年金 |
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2級 |
障害基礎年金2級 + 報酬比例の年金 + 配偶者加給年金 |
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3級 |
報酬比例の年金(最低保障 623,800円) |
※重要: 厚生年金であれば、症状が比較的軽い「3級」でも、最低保障額として年間約62万円が支給されます。
3. 「働きながら」受給するための条件とは?
ADHDの方の多くは、苦労しながらもお仕事をされています。「働いている=不支給」ではありませんが、審査においては「どのように働いているか」が厳しく見られます。
受給できる可能性が高いケース
- 障害者雇用枠で働いている
労働能力に制限があることの明確な証明になります。 - 一般雇用だが、かなりの配慮を受けている
「ミスをカバーする担当者がついている」「マルチタスクを避け、一つの業務に専念させてもらっている」「遅刻や欠勤が黙認されている」など。 - 就労はしているが、長続きしない
「採用されても、ミスや人間関係で数ヶ月で辞めてしまう」を繰り返している場合、安定した就労ができないと判断される可能性があります。
医師への伝え方がカギ
「仕事に行けています」とだけ伝えると、医師は「問題なく働けている」と判断しがちです。
「同僚に何度も助けてもらっている」「帰宅後は疲労で動けない」「給料が減らされた」など、就労の実態(苦労)を必ず伝えてください。
4. 審査のカギを握る「日常生活能力」の伝え方
ADHDの審査では、知能指数(IQ)よりも「生活上の困難さ」が重視されます。
医師に診断書を依頼する際は、以下の項目について、具体的な「困りごとメモ」を渡すことをお勧めします。
① 不注意に関するエピソード
- 金銭管理: 公共料金の支払いを忘れてライフラインが止まった、衝動買いで生活費が尽きた。
- 安全管理: ガスの消し忘れ、鍵の閉め忘れ、薬の飲み忘れ(または飲み間違い)が頻繁にある。
- 整理整頓: 部屋が足の踏み場もない状態で、必要な書類をすぐ紛失する。
② 多動・衝動性に関するエピソード
- 対人関係: 思ったことをすぐ口に出してしまい、職場で孤立している。
- 行動: じっとしていられず、会議中や業務中に離席してしまう。
- スケジュール: ダブルブッキングや、約束の時間を守れないことが常態化している。
これらは恥ずかしいことではありません。障害年金の審査においては、あなたの支援の必要性を示す重要な証拠となります。
5. よくある落とし穴:「初診日」の特定
ADHDの申請で最も難しいのが「初診日」です。
- 子供の頃に通院していた場合: 20年以上前でカルテがないケースがあります。
- 大人になって診断された場合: 最初は「うつ病」や「適応障害」として治療を受け、後からADHDと判明するケースがあります。
この場合、「うつ病で初めて受診した日」が初診日となることが一般的です。
「初診日が証明できない」と諦める前に、母子手帳や過去のお薬手帳、当時の領収書などが証拠になる場合もありますので、専門家にご相談ください。
まとめ:一人で悩まず、まずは「可能性」を知ることから
ADHDによる生活の困難さは、ご本人様の努力不足ではありません。
障害年金は、あなたが安心して社会生活を送るためのサポートとなる制度です。
「自分は対象になるのか知りたい」
「初診日の証明でつまづいている」
「仕事をしているけれど申請したい」
少しでも疑問がある方は、障害年金専門の社会保険労務士にお任せください。
私たちは、あなたの「見えない苦労」を言葉にし、診断書や申立書に反映させるプロフェッショナルです。
まずは無料相談で、今の状況をお聞かせください。あなたの負担を軽くするための一歩を、一緒に踏み出しましょう。
ご相談は無料です。あなたのその一歩が、明日を変えるかもしれません。

